6月25日「選挙のいろは」
6月25日「選挙のいろは」をテーマに、選挙に向けて、私たちにできることってなんだろう?ということを学びました。候補者を応援したい人も、無所属でチャレンジしたい人も参加。ゲストのお二人からリアルなお話で盛り上がりました。
【ゲスト】
野村 友昭 さん(前堺市議会議員)
「政令市の選挙とは?」
渕上 猛志 さん(堺市議会議員)
【参加者】 32名
【会 場】 大阪市中央区谷町2丁目3−1
ターネンビル2階
「選挙のいろは」を学べば、選挙に勝てるというわけではありません。でも、衆院・参院、知事・市長、府議・市議と選挙もいろいろあります。今回は、選挙の違いや無所属選挙のコツなど、ゲストの流儀をたっぷり聞きました。
「政令市の選挙とは?」 野村友昭さん
2019年の春、市議3期目を迎えてすぐにおこった現職市長の辞職。それに伴う堺市長選に立候補された野村さん。市議選だけでなく市長選を戦った経験から、来月に迫った参院選、2023年4月に予定されている統一地方選など、選挙ごとに戦略が大きく変わることを教えていただきました。
簡単に言えば、知事・参院・市長・衆院・府議会(政令市議会)・市議会の順に、当選に必要な得票数が変わります。大阪では、知事は200万票、一般市議選は1000票が当選ラインといったところ。
政令市である堺や大阪市は行政区ごとの選挙と法律で決められており、堺で4000大阪市7000が最低の当確ライン。
数千人までは、地縁・血縁・顔の見える関係を地道に築き、当確ラインに届かせる戦略も可能ですが、それ以上となると、テレビ・ネットといった空中戦も不可欠になるそうです。
最近の大阪では、市議選などでも候補者本人よりも、政党名で投票する傾向があるそうです。もっと私たちの候補と思えるようになるために、身近な市議会の候補者や現職のみなさんに市民からもアプローチをしていくことの大切さを強調されていました。
また、大阪府議では「身を切る改革」の旗印の元、定数が削減され、多くの選挙区で定数1となり、多様な意見をくみ取れる選挙制度になっていないそう(驚)。議員定数の削減は議員にとっては当選枠が減り、財政的には「身を削る」改革なのかもしれませんが、多様性を活かす「民主主義を削る」改革になるのでは、本末転倒!
「選挙のいろは?」 渕上 猛志 さん
無所属で堺市議に2期当選している渕上さん。必勝できるような「選挙のいろは」ではなく、自らの選挙の心得(いろは?)をリアルな話を交えて、報告されました。
1期目は5121票、2期目は7145票と着実に票数を伸ばした秘訣は「人間関係は政策を凌駕する」ということ。実は、市議選の前の府議選ではトリプルスコアで落選。その時に、人間関係のない中で「政策だけ」を訴えても票につながらないことを実感されます。
そこからは代々、地元出身の強みを活かし、小・中・高校のアルバム、地元の喫茶店や立ち飲み屋、家族の知人・友人などをくまなく回るどぶ板を展開。5000票が必要と定めれば、1万の戸別訪問を目標にするなど顔の見える関係にこだわったそうです。
また、無所属では勝てっこない?と思われないよう、選挙区内ポスター500枚、駅や交差点での辻立ち、年6回の全戸チラシと勝てる雰囲気づくりにも努めていたそうです。
とはいえ、活動を支える資金も気になるところ。一期目の選挙では500-600万円と奮発したそうですが、プランニングをしっかりすることで、ウグイスやポスター、事務所経費などで節約もできるようです。また、「協力者」づくりも無所属には大切な活動で、対話を重ねながら、些細なことで、お手伝いいただける工夫をされているようです。
投票行動とラーメン屋選びを重ねた「選挙のいろは」はわかりやすかった。
「質疑応答」
Q:議員になったきかっけは?
野村さんは生まれも育ちも堺。「地域のために役立ちたい」と思ったことが議員になったきっかけ。とはいえ、それだけで議員を志したわけでなく、保育園に関わる中で、ロビー活動の必要性を実感し、政治的な関心があったことも大きかったそう。
渕上さんは政治を志した転機は4回「①中1の湾岸戦争」「②バックパッカー時代のペルーでの経験」「③母の知り合い議員の応援」「④サラリーマン時代に痛感した政治への無関心」と明確でした。
Q:無所属のメリット・デメリット
無所属か党所属と比較して、メリット・デメリットを挙げてくれました。わかりやすいデメリットは、名前が覚えてもらえないこと。全国のネットワークがないこと。一方で、メリットとしては、政党嫌いのはねつけが少ないこと。組織のしがらみがなくなったこと。ということでした。
Q:SNSの活用
1万票以上が必要な選挙ではSNSは必須のツールになるそうです。また、SNSやIT技術は、意見を社会に表明するハードルを低くし、新興政党が増えた一因にもなっているそうです。とはいえ、新聞・テレビのニュースを見ない層も増え、今後はSNSの重要性は高まるだろうとのことでした。また、市議選など顔の見える関係づくりがポイントとなる場合は「デジタルとアナログ」の往還も大切なようでした。
Q:地方議員の育て方
地方議員とは顔の見える関係をつくれます。そして、市民の視線が議員を育てます。政党で選ぶのもよいけど、政党関係なく、市民からアプローチして、議員のお話を聞いてみてください。看板だけで選ばないでください。という言葉で締めくくられました。
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