私たちと食べもの~食べものから考える、地域のかたち~
2022年9月4日 14時~16時
『食べものから学ぶ世界経済の歴史』の著書である平賀緑さん、パプアニューギニア海産工場長であり、自由な時間に出勤する働き方で知られる武藤北斗さんを迎えて学習会を開催しました。
後半はテーブルに分かれて座談会的に小グループで意見交換しました。
もともと農村での自給自足での食生活で事足りていたはずが、都市部の工場で働く労働者の食が「商品」とされていき、大量生産、大量消費へと時代が流れていき市場を求めて世界展開、多国籍企業、自由貿易化の流れへと進んできた現在に至るまでのお話を平賀さんから伺い、私たち消費者は、「値段」を見て買うことしかできない流れの中に組み込まれていることを改めて知りました。
お米、小麦、トウモロコシが世界の人口カロリー摂取の半分以上を占めているのはなぜか、、、
そんなことを考えたこともなかったな~、、、
さらに小麦の価格を動かしているのは? など、深堀したことがないことばかりでした。
食について、役所には窓口がないお話も、、、
今日、食べれない人がいることを行政ではどこの管轄が把握しているのかな?と聞かれて確かに、、、
誰もが必ず食べる「食」のことなのに、身近な行政機関に食のことで提案したり、おかしいよって言えるところがないかも、、、どこにいけばいいのだろう。
地球も体も壊しながら生産している今の成長ってなんだろう、、、と、思う。
食べる側が考えていく機会がこれからとても大事なんですね。
武藤さんの海老工場では、パプアニューギニアの天然の海老漁をされているパートナーにも、向こうが「自分たちを選ばない、という選択権があることを伝え、行っているので、そこから買えるように自分たちも努力をしているお話は、他とは全然違うやり方だな~。
「たくさん買ってあげるんだから 安くして!」の今の市場とは違う。
武藤さんは、工場を機械化すればするほど、お金の計算ばかりしてしまうことにも気づいたとも。
さらに、それは楽になるのではなく、機械化すればしんどくなるのだと。だから、手作業にこだわっていて、その方が好循環な環境が生まれることも実感されているようでした。
働き方も面白くて、パートさんたちは好きな時間に来ること、したくない仕事は触ってはいけないこと、など争うことをしないためにルール決めをしているそうです。みんなが無理していないので相手を貶めようとする関係もなくなっていくという話も興味深かったです。
エビフライを製造する過程で、水をほんの少し使うけれど、ちょっとしか使わないものでも妥協なしでした。 その水は鬼頭村からでした。水がおいしいのは当然だけど、それだけではなく、この村の人たちの力でダムの開発を止めた歴史を持っているからでした。
そんな風に、自分のところで使うものに対して、商品の良さだけでなく会社がどんな理念を持っているかを見て選ぶ姿勢は、私たち消費者も同じことが言えそうです。
なぜ、同じ商品がたくさんある中でそれを買ったのか。説明できる商品が自分たちの買い物の中でどれだけあるのかな、、、 と我が家を振り返ってみたり、、、苦笑
後半はテーブルごとに5,6人で、行政と市民が協力したらどんなことができるかを雑談してもらいました。
公的な場所を使ってとにかく野菜を育ててみる! できた野菜はだれでも収穫していい。
顔の見える流通のものを選ぶ、そのことの大切さをどう伝える?
子ども食堂の在り方、フードパントリーの仕組み。
学校で食と農についての教育が必要。
つないでくれる議員は?
どの食品もすべて石油製品に盛り付けられて売られていること不思議じゃない?
など、他にもいろんなお話がたくさん出ました。
平賀さんが紹介してくださった「小農による食料ネットワーク」のイラストはとても参考になります。地域に根差したゆるやかなネットワークが生まれる仕組み。
どこで買うのか、
誰から買うのか、
どうしてそれを買うのか、
買い物での選挙の一票を大事にしたいですね。
maruko
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