8/11に行ったおおさかコモンズzoomおしゃべりカフェでは、「行政と市民のかかわり」をテーマにおしゃべりしました。
いしだはじめさんはUCOの活動で、大阪市の都市としての成長を歴史の流れの中でとらえ、進化する自治を構想されています。
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市民協働の流れは、世界的にはパリ、グルノーブル(いずれもフランス)、ソウル(韓国)、スペイン、ブラジルなど。また国内でも長野県、東京都、杉並区(東京都)、三重県、名張市(三重県)などで取り組まれているということです。
一つは自治意識の高まり、ミニュシュパリズム、自治の獲得の流れからくるものと、もう一つは行政が機能しなくなり、市民自らが行わなければならなくなったものとがあるそうです。
今回取材された尼崎市では、社会課題の解決のために市の事業全般に対しての市民提案が募集されています。
こうした市民協働の動きは、さかのぼれば90年代のNPO法の制定からありましたが、尼崎市で具体的に自治にシフトしていくようになったのは2010年ごろからで、財政改革と1,000の事務事業(13分野)の棚卸をすることが一つのきっかけでした。ここから民間委託とは違う市民協働の形を模索するようになりました。
2020年には制度改革も行われ、市役所内の職員の意識改革がすすみ、市民との相互理解が深まったそうです。
特に、事業の募集から提出までの間に、市の制度所管課の職員と応募した市民とが互いにアイデアを持ち寄りブラッシュアップしていくことが、なかなか他自治体では見られないことだということです。
「この課題なら、どの課とどの課が関わればいいのか」を制度所管課の担当者が考えながら課題に当たって行くということでした。縦割りだけではできないことをやっているということです。
採択されなかった場合も、必要性が認識された場合は、補助事業として経過が見守られることもあるそうで、行政も市民も「どうすれば市民サービスがよりよくなるか」を共通目標としているということでした。
実際尼崎市では、市民協働に関わった市民も行政も、成果ややりがいがあることだと感じているようです。
具体的な採択事業はこちらをご参照ください。小さな事業でも丁寧に協働でされていることが分かるかと思います。
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/shisei/si_mirai/1010136/1035296.html
首長の意識が大きいという話や、大阪市では行政と市民が手を取り合う場面は実際少ないという話にもなりましたが、こういった近隣都市での試みをプランとして市民が知っておくことが、次のステップに向けて大切なのではと思えました。
◆参考
尼崎市「行政運営の視点」
地域課題解決のための方向性を設定している
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/313/4soanan.pdf
いしださん、ご参加のみなさん、ありがとうございました。
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