議会への陳情について、大阪市の街路樹撤去を考える会(仮)さんに依頼して、陳情を出された経緯や、結果を文章にしていただきました。
大阪市にお住まい、通勤通学であれば、おそらく見たことのある街路樹の切られてゆく姿ですが、お一人の市民が感じられたことを発端にして陳情が行われました。
一枚の陳情が議会や行政をどのように動かせるのかを知り、私たちも一つずつ働きかけていきたいです。
5回シリーズでお送りします。
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なぜ街路樹を伐るの? 〜はじめての陳情〜 その1
“大阪市の街路樹撤去を考える会(仮)”の中の人
ツイッター(X):https://twitter.com/osaka_tree
note:https://note.com/osaka_tree/
はじめまして。私たちは、家の近くのイチョウの木が突然伐採されてしまったことから、大阪市の緑化行政に疑問を持ち、ツイッター(現X)やnoteでゆるく発信している大阪市民です。
今回、「街路樹・公園樹の安全対策事業」について大阪市議会に陳情書を提出しました。私たち自身、初めての陳情です。意外にやりがいのある“陳情”を、多くの方に知ってほしいという思いから、一連の流れや効果、気づいたポイントなどをお伝えします。
●一枚の張り紙から
2022年9月下旬、自宅近くのイチョウ並木(東住吉区)のうち何十本かに、張り紙が貼られているのを見つけました。
貼った主は大阪市建設局で、「この木は、電柱・電源への支障や、道路標識の見通しの妨げになりやすいことから、撤去を予定しています。撤去作業は、10月上旬の予定」と書かれています。
私たちは、「え!? なぜこんなに元気そうなイチョウの木が伐採されるんだろう? ちょっと急すぎるし、おかしいな」と疑問と不安を抱きました。
図 1 :木に貼られた撤去のお知らせ
調べてみると、この撤去は大阪市の「公園樹・街路樹の安全対策事業」としておこなわれており、市内の公園樹7,000本、街路樹12,000本、合計19,000本の樹木を伐採する計画のようです(2018年度から2024年度まで)。“#木を切る改革”とネット上でも断続的に話題になっているようでした。
私たちは、大阪市建設局緑化課と、地区の担当である長居公園事務所に、伐採を一旦中止し、樹木の適切な管理をするよう求めました。しかし、「市民の安全を守るために必要な伐採です」とか、「議会で決まったことですので」と言われてしまい、こちらの意見は聞き入れられませんでした。
結局、その年の12月、このイチョウ並木約90本中、22本が撤去されました。
「適切に管理すれば生かせる」という声を漏らした現場の職員もいただけに(その後、この発言は緑化課長によって撤回されましたが)、残念な思いでいっぱいです。
図 2 :切られてしまったイチョウ
樹木撤去の理由として、根上がりして通行に支障をきたすとか、倒木など将来危険を及ぼす可能性があるということが挙げられていますが、通常の維持管理においても、枝を多く切り落とす“強剪定(きょうせんてい)”が常態化するなど、樹木を弱らせる管理をしているのは大阪市だと思えるので、簡単に納得はできません。
図 3 :樹形を無視し、強剪定されたイチョウ
そのようないきさつがあり、「議会で決まったことだから仕方がない」のではなく、「そんな議会ならば少しでも変えたい」という思いがめばえ、2023年2月、大阪市議会へ「陳情」を出しました。
その2へ続く
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